地名には、災害を示唆する先人からの教訓も含まれています。例えば、ウメは土砂崩れなどによって埋まった場所。サクラはクレなどの読みが変化し崩れた場所など。
【道路の形状、事物、景観が伝える教訓もあります】
●火事・・・芭蕉の辻の道幅(大正8年南町大火) ●戦争・・・東二番丁小のクスノキ、市博物館の初代政宗公騎馬像、桜井薬局前の仙台空襲爆心地 ●地震・・・坂下交差点・宮城野大通の長町~利府断層、仙台城の崩れた石垣 ●火砕流・・・評定河原(350万年前の火砕流)など。
月: 2023年3月
水の確保に「災害用応急井戸」
災害時の雑用水(トイレ、洗濯、清掃用水など)を確保するため、井戸水を近所に提供する「災害用応急井戸」として仙台市に登録する制度を、平成12年から開始しています。
学校や地域の防災訓練
宮城県沖地震の発災日である6月12日を目安に、「市民防災の日」として午前9時45分に全市一斉に学校や職場など各自の場所で防災訓練を行っています。また、町内会を単位とした自主防災組織もあり、「生活防衛」を目的とする自主防災活動も行われています。
震災伝承の取り組み (語り部、デジタルアーカイブなど)
【デジタルアーカイブ】
災害に関する記録を電子的に保存、公開するデジタルアーカイブは多数あります。一例として、東京大学大学院・渡邉英徳教授らの取り組みでは、証言者を顔写真のアイコンで表し、メッセージ性と記憶の定着のしやすさを兼ね備えています。(https://labo.wtnv.jp/p/blog-page_29.html)
自主防災組織
地域住民が自主的に防災活動を行う組織です。平常時は、防災知識の普及や啓発、防災訓練、防災資機材の備蓄や点検といった活動に取り組んでいます。発災時は、初期消火、住民の安否確認や避難誘導、負傷者の救出や救護、情報の収集や伝達、給食や給水活動などを行います。地域の特性をよく理解している自主防災組織だからこそ、地域の実情に合った応急活動を行ことができるのです。
寺などでの炊き出し
長年にわたって石巻渡波地区の「洞源院」では、参拝者に年2回振舞う炊き出しの習慣がありました。
震災時には、お寺が臨時の避難所となり。数カ月に及ぶ避難者生活を円滑に運営できました。その要因のひとつに、炊き出しによって培われた経験があります。
震災伝承の取り組み (語り部、デジタルアーカイブなど)
被災者や被災者に準じた人が体験や情況を語る「語り部」活動は、各地で行われてきました。
3.11後も各地で、さまざまな取り組みが行われています。
【語り部】
震災遺構を巡りながら、また伝承施設などで、語り続けられています。
トイレットペーパーやティッシュを多めに備蓄するようになった。コロナの時にも役に立った。
災害を契機に生まれた音楽、演劇、文学、映画など
【音楽】
メモリアルコンサート:月命日に「せんだい3.11メモリアル交流館」で行なわれています。
(主催:仙台市 企画制作:公益財団法人音楽の力による復興センター・東北)
【イベント】
被災地でのフェスティバル:「リボーン・アートフェスティバル」などの芸術祭、「GAMA ROCK FES」などの音楽祭が開催されています。
【演劇】
震災をモチーフにした演劇:生田恵氏、井伏銀太郎氏、故石川裕人氏、なかじょうのぶ氏、相澤一成氏、中村大地氏ほか、地元ゆかりの劇作家によるオリジナル戯曲などが多数上演されています。
【文芸】
河北新報「河北歌壇」に寄せられた震災詠650首をまとめた「震災のうた」、震災を経験した仙台から次の世代の文学が産まれることを願って創設された「仙台短編文学賞」、令和5年第168回芥川賞受賞作「荒地の家族」など、震災の直後からプロ・アマを問わず数多くの詩歌や小説、ルポルタージュ作品やムーブメントが生まれています。
【映画】
『一陽来復』『ただいま、つなかん』『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』『最後の乗客』『有り、触れた、未来』など、被災状況から復旧、復興まで、さまざまなテーマでドキュメンタリーや劇映画が今なお製作され続けています。
【アニメ(漫画)】
仙台を舞台にテレビ版・劇場版計5本が制作された『Wake Up, Girls!』、自治体(七ヶ浜町)が製作し動画サイトで配信する『七ヶ浜でみつけた』、国内外でヒットしている『すずめの戸締まり』など、多くの震災関連作品があります。
宅地造成履歴等情報マップの活用
3.11以降、自宅の敷地が切土か盛土か知りたいという問い合わせが増えたことから、宅地や周辺の造成履歴の概況がわかるマップを平成25年に作成しました。
マップは、仙台市ウェブサイトからダウンロードできるほか、仙台市役所の市政情報センターで購入できます。