災害文化事例カタログ

ソラシド本坊さんの火おこし講座

今日は、火おこしの体験をしてみたいと思います。
普段は火なんてライターで「パッ」と点いちゃうんですけど。災害の時とか、サバイバルな状況で、ライターも何もないときに、あなたは火を起こせますか。


よく、映像であるでしょ。木を擦りつけたあとに口元でフーってやって火を起こすの。今日はこれで火を起こすんですけど。ぼく、これで火が点いたこと一回もないんです。
乾布摩擦で擦ると暖かくなるでしょ。あれをエゲツなくやると熱を持つんですよ。熱を持ってるところには火種ができている。火種に麻紐をほどいたやつ、何もないときはポケットの中溜まっているゴミあるでしょ。あれでも火がつきます。


では、さっそく実演です。
はずみ円盤型の火起こし機ですね。円盤がカウンターウエイトになっているので、アームの上下動の際に主軸に巻き付いた紐、要はここにエネルギーが溜まっているわけなので、往復運動させることで軸が回転する。説明だけでメンドくさくなってきましたね。このクルマを止めないように往復させるのがコツです。


これは弓錐型の火おこし機。弓の部分が同じく主軸に絡んでいます。円盤がない分だけ力は要りますが、軸を真上から押し続けることが出来ます。


参加者のお子さんに試してもらいました。ただ、やはり弾み車を使った機械などは動かし続けるのに力が要るので難しかったかな?


そこで中学生のお姉さんにやってもらったところ、錐の先から煙が上がり始めました。


お父さんと協力して火おこし。火種ができたかな?って思ったけど消えちゃった。
なかなか難しいですね。


そこで、道具を換えました。この金属棒はマグネシウムで出来ていて、鋼鉄製の板で強く擦ると火花が飛びます。この時のマグネシウム片の温度は400℃を超えるそうで、ただ、破片が小さいのですぐに燃え尽きてしまいますが、大きな熱量を発することができます。


使ってみての発見だったんだけど、大きく火花を飛ばそうと長いアクションで手を動かすより、可燃物のすぐそばでガリガリと、軽い動作で小さな火花を連続的に起こした方が、発火しやすいみたい。試行錯誤で子供たちが編み出した技でした。


道具に慣れたら、丸めた新聞紙でも火がついてしまった。


続いて虫眼鏡を使った火起こし。
太陽光を集めて、新聞の黒い部分に焦点を合わせました。お父さんは火種にくべる麻を持って待機しているけど。焦げるだけでなかなか発火しません。


そこでひと工夫。新聞紙を丸めて黒い部分を中心に、凹みの中の黒い印刷部分に太陽光を当てると、火がついた!
消防士さんに聞いたことがあるけど、火が起きるには可燃物と酸素、そして熱が大切なんだって。新聞の凹んだところに焦点を当てたので熱が籠りやすくなり、さらにタイミング良く少し風も吹いたんですよね。


本坊さん、ありがとうございました。